いなべ東近江ラリー2025(JAF中部近畿ラリー選手権 第2戦)
いなべ東近江ラリー(JAF中部近畿ラリー選手権 第2戦)
日程|2025年6月21日(土)、22日(日)
会場|三重県いなべ市~滋賀県東近江市 (メイン会場:FUJI HUB)


地域とともに走るモータースポーツ
2025年6月21日(土)と22日(日)、三重県いなべ市と滋賀県東近江市を結ぶ山あいのルートで「いなべ東近江ラリー」が開催された。JAF(日本自動車連盟)公認の「中部近畿ラリー選手権」第2戦に位置づけられる本大会は、地域密着型のモータースポーツとして2013年に産声を上げて以来、年々その存在感を高めている。
開催日は梅雨の中休み。空は明るく澄みわたり、山々の緑がいっそう鮮やかに映える絶好のコンディションに恵まれた。湿った空気のなかを抜ける涼風とともに、エンジン音が山間にこだました光景は、まさに自然とスピードが織りなすドラマそのものだ。

コースの総距離は約136.36km。(うちスペシャルステージ=タイムアタックは27km)。そのなかでも観戦のハイライトとして注目を集めたのが、昨年に続き設定された永源寺エリアと、今年新たに追加された大安(だいあん)エリアだ。
永源寺は臨済宗永源寺派の大本山で、周囲の山村景観とともに日本遺産にも選ばれている。荘厳な静けさと、ラリーカーが巻き起こす激しい躍動との対比が心を打つ。一方の大安エリアは宇賀川の対岸をラリーカーが疾走する。その真横の姿が見られるレイアウトになっており、まるで風が走り抜けるような臨場感に、観客からは思わず歓声が上がる。

参加台数は52台。最新の高性能スポーツカーから燃費志向のハイブリッド車まで、その車種の幅広さがこの大会の懐の深さを物語る。ナンバープレートを付けて、公道を疾走するその姿に、「誰もがモータースポーツの主役になれる」というメッセージが込められているようだった。


いなべ東近江ラリーの特徴は、競技性だけにとどまらない。公道を使う以上、地域との協力なくして運営は成り立たない。コース設定、交通誘導、応援の声援に至るまで、地域の理解と支援がラリーを支えている。すなわちこの大会は、自治体・企業・住民が一体となって作り上げる、地に足のついたモータースポーツイベントなのだ。
エンジンの咆哮が遠ざかり、また山の静けさが戻る。それでもドライバーや観戦した人たちの心には、梅雨の晴れ間に繰り広げられたラリーの記憶が、しっかりと焼き付いているのではないだろうか。
主 催:JAF加盟モータースポーツクラブ トライアルスタッフオン!
企画運営:いなべ東近江ラリー実行委員会
特別協賛:三重トヨタ自動車株式会社
協 賛:
株式会社フジ技研(FUJI HAB)/トヨタ車体株式会社/住友ゴム工業株式会社(DUNLOP)/株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TRD)/寒紅梅酒造株式会社/株式会社 藤工務店
後 援:三重県/滋賀県/いなべ市/東近江市






































特別協賛の三重トヨタ自動車が競技に初参戦!
昨年に続いて特別協賛として名を連ねる三重トヨタ自動車。メイン会場にランドクルーザーシリーズ3台を展示するなど、会場の盛り上げ役にひと役買っていた。親子連れやラリーファンが車両のまわりに集まり、スタッフとの会話を楽しむなど、終日にぎわいを見せていた。
今年は競技にも初参戦。車両は走行16万キロ超えのハイブリッド車「アクア」。トヨタ販売店としてラリーファンの裾野を広げるため、最小限の改造でラリー仕様へと仕立てたという。あくまで等身大の車両で挑んだこの一台は、地域に根ざした企業の心意気を体現していた。
◉ラリーにチャレンジしてみたいと思っている人にぜひ読んでほしい製作録も掲載。