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クルマで行きたい
鉄道のある風景第3回(JR紀勢本線 松阪駅~新宮駅)

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記事公開日:2022年10月31日

今回は三重県南部を走るJR紀勢本線の松阪から新宮間をご紹介します。

JR松阪駅と和歌山県にある新宮駅の間は特急「南紀」で約2時間、距離で約150キロの区間です。
この地域で撮りたいのはやはり、一日数往復走っている特急「南紀」、というカメラマンの方が多いとおもいます。特急「南紀」は名古屋―紀伊勝浦間を結び、約30年前に製造されたディーゼルカーで運行されています。少し前までは「ワイドビュー南紀」と言う名前で走っていました。
その名前の通り、先頭車の大きな前面ガラスと、高い位置にある座席でワイドな視界が人気の車両です。しかし、製造から相当の年数が経ち、近いうちに新型車両への置き換えが予定されていますので、今のうちに撮影しておきたい列車の一つです。

さて、沿線の風景は、山と田圃が中心です。紀伊長島駅から南は海沿いを走りますので、せっかく撮影するならば、三重県南部の山や川、海と一緒に撮ってみましょう。

貨物列車

それでは出発します。松阪駅を出た列車は10分足らずで櫛田川の鉄橋を渡ります。ここは足場も良く、カメラマンに人気の場所です。列車全体を入れた編成写真を撮るのに良い場所です。太陽を背にしたいわゆる順光写真が撮れます(①)。

〒519-2151 三重県多気郡多気町朝長:地図

貨物列車

次は一気に南下して梅ヶ谷駅と紀伊長島駅の間の荷坂峠を行く「南紀」です(②)。この区間はトンネルが続く峠となりますが、トンネルの切れたところを山の上から狙います。ここでは、突然現れる列車を逃さないようにじっと待つ我慢の撮影になります。

〒519-3204 三重県北牟婁郡紀北町東長島:地図

列車

山間地を走ってきた列車は、荷坂峠を越えると、一気に海沿に出ます。ただ、海と列車を一緒に写せる場所は意外に限られています。ここでは、入り江を挟んで反対側の山から、トンネルを抜けてきた列車を撮ります。紀伊長島―三野瀬間の静かな海を横目に走る「南紀」です(③)。

〒519-3209 三重県北牟婁郡紀北町古里:地図

列車

相賀駅―尾鷲駅間には美しい川として有名な銚子川が流れています。銚子川の河口近くに架かる鉄橋を渡る「南紀」です。海側から昇る朝日で「南紀」のシルエットが浮かび上がりました(④)。

〒519-3406 三重県北牟婁郡紀北町相賀:地図

列車

三重県南部の撮影地でカメラマンに人気なのが、熊野市の新鹿地区の青い海を取り入れて撮れる新鹿駅付近の撮影地です。ここは、さまざまな場所から海と鉄道を絡めて撮ることができる地区ですが、写真の見栄えが、お天気に左右されやすい撮影地です。今回は駅と線路を遠く見下ろす県道から、午後の日差しを反射して、ギラリと光る「南紀」を撮ってみました(⑤)。

〒519-4206 三重県熊野市新鹿町:地図

列車

いよいよ新宮駅が近づいてきました。この熊野川を渡ると和歌山県新宮市です。その川に架かる鉄橋の向こう側の海から昇る朝日と「南紀」を真横から撮ります。この写真は、新宮を朝早く出発した名古屋行きの列車を、線路と平行に架かる道路橋からの撮影したものになります(⑥)。

〒519-5713 三重県南牟婁郡紀宝町成川:地図

列車

いかがでしたでしょうか。今回は、三重県中部から南部の自然豊かな風景と特急「南紀」をご案内しました。近年、高速道路の整備が進み、三重県南部はドライブコースとしてもおすすめです。七里御浜海岸の青い海や丸山千枚田の圧巻の眺めなど見どころもたくさんあります。鉄道写真だけでなく寄り道をすると美しい風景を撮ることも出来ます。この写真は日没後の展望台から、丸山千枚田の道を行く車を長時間露光で撮ったものです。水を張った、何百という小さな田んぼと、ヘッドライトの光跡が撮れました(⑦)。

〒519-5406 三重県熊野市紀和町矢ノ川:地図

Profile

高校生の時に写真部に入って、何でも撮っていました。それからかなり間が空いて、わが子を撮るためにデジタル一眼レフを買いました。何気なく撮ってみた鉄道写真の魅力にハマり10年余り。休みの日に家族の顔色を伺いながら線路脇に出かける50代のおじさん社員です。