クルマで行きたい
鉄道のある風景第5回(JR西日本関西本線 柘植駅~伊賀上野駅)
記事公開日:2023年5月11日
第5回目はJR西日本の関西本線をお送りします。
関西本線は名古屋駅から亀山駅、奈良駅を経てJR難波駅を結ぶ路線です。名古屋から亀山間はJR東海の管轄で、亀山から先がJR西日本の管轄になっています。昔は名古屋と大阪を結ぶ直通列車も走っていたそうですが、今では会社をまたいで走る列車はありません。
そして、特に亀山と奈良県の加茂駅の間は1両又は2両編成のディーゼルカーが走るローカル線となっています。今回はこの区間の沿線で写真を撮ってみたいと思います。
実はこの区間は被写体となる車両には、撮り鉄の皆さんを引き付ける魅力に乏しいと言わざるを得ません。しかし、ちょっと変わった列車や古い駅舎、桜のある風景など写真を撮りたくなる魅力もしっかりあります。
これは柘植駅の駅舎(①)と跨線橋(②)です。柘植駅は関西本線とJR草津線が分岐する駅。明治23年開業の130年を超える歴史を持つ、三重県で一番古い駅だそうです。
ホームの基礎はレンガ積みで大正時代のものが現存するようです。広い構内を見ていると昔の賑わいを想像してしまいます。
〒519-1402 三重県伊賀市柘植町:地図
次に紹介するのは春の佐那具駅(③)(④)です。こちらも映画かドラマのロケにでも使えそうな昔ながらの駅の雰囲気を残しています。低くて長いプラットホームに桜の咲く時期は本当に美しく、いつまでもこの風景が残って欲しいと思っています。昔汽車が走っていた時に見てみたかったものです。
〒518-0011 三重県伊賀市外山:地図
佐那具駅を出て伊賀上野駅方面に少し走ったところの直線区間で桜の花とタンポポの花を見つけました。両方の花が入るように広角レンズで列車を待ちました。雲一つない青空の下1両だけの気動車(⑤)が駆け抜けていきました。
〒518-0013 三重県伊賀市東条:地図
普段は訪れるカメラマンも少ない関西本線のこの区間ですが、関西線を走るディーゼルカーが、鳥取県にあるJRの工場で定期検査を受ける時には、ディーゼル機関車がディーゼルカーをけん引して回送します(⑥)(⑦)。この時ばかりはその珍しいシーンを撮ろうと、カメラマンが沢山集まります。
〒519-1123 三重県亀山市関町金場:地図
いかがでしたか。今回は関西本線の非電化区間をご紹介しました。名阪国道はよく通るけれど、下に降りたことがないな、という方も多いと思います。関西本線は、車両以外にもレンガ積みのトンネルや鉄橋など歴史を感じさせる構造物も多く、散策を兼ねて出かけるのも良いかと思います。
Profile
高校生の時に写真部に入って、何でも撮っていました。それからかなり間が空いて、わが子を撮るためにデジタル一眼レフを買いました。何気なく撮ってみた鉄道写真の魅力にハマり10年余り。休みの日に家族の顔色を伺いながら線路脇に出かける50代のおじさん社員です。