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新型ランドクルーザー 三重トヨタ整備士 座談会

世界の過酷な環境で鍛え抜かれたSUVランドクルーザー誕生70周年に合わせて世代交代を果たし、三重トヨタのショールームにその姿を現した。「どこへでも行き、生きて帰って来られるクルマ」の使命を受け継いだ新型は、どこがどう進化したのか。そもそもランドクルーザーの名車たる所以とは。知識と技術に長けた三重トヨタ精鋭3人が自由闊達に語る。

  • 半根 和幸
    半根 和幸 Hanne Kazuyuki
  • 佐々木 博好
    佐々木 博好 Sasaki Hiroyoshi
  • 池山 功一
    池山 功一 Ikeyama Kouichi
取材日:2021年8月

現在進行形の伝説、野生と知性の絶妙なバランスで14年振りの新型デビュー!

━━ついに来ましたね、ランクルの新型、通称300系。旧型の200系が2007年の登場だから実に14年ぶりのフルモデルチェンジです。

佐々木:ぱっと見の印象からして、風格と新しさが伝わってきますよね。脱皮した感があるというか、かなり洗練され、贅沢な雰囲気も増しています。輸入車を含めて本格派SUVの人気が高まってますけど、その中でも300系は知的な感じがします。

半根:確かにデザインだけで「これは絶対ええやつ」って思う。ボディサイズはほとんど変わってないんですよね。実のところ、ホイールベースも、最低地上高も、それらに関わる所定の角度まで200系と同じ。いわば黄金律の踏襲です。そのうえでデザインと中身を別物やといえるぐらいに進化させてるわけです。世界初の溶接技術とかを駆使しながら骨格から一新して、外板にアルミ素材を多用して、200kgもの軽量化。さらに重心高を低くして、車両の中央に寄せてます。やり方としてはスポーツカーと同じですね。

池山:走りの進化は普段乗りでもよく分かると思います。大きなSUVって、ハンドルやブレーキの操作に対する動きが鈍かったり、揺れが大きかったりするけど、300系は、そういったもっさり感がない。巨漢やってことを忘れてしまうくらいに操作系が軽やか。ドライバーの意思に忠実な動きをしてくれます。軽量化、低重心化が効いとるんやと思いますね。しかも最新の運転支援システムと相まって、長距離のドライブでも本当に疲れしらず。オンロードでの快適性は劇的に良くなってます。 

佐々木:走りの源となるエンジンも新開発だからね。ガソリン車は200系の4.7リッターV8に代わって3.5リッターV6ツインターボ。最高出力は415馬力で、200系よりおよそ100馬力アップです。例えるならコンパクトカー1台分のパワーが上乗せされた感じ。それで車重が軽くなっとるから、面白いようによく走る。待望のディーゼル車は3.3リッターV6ツインターボで、最高出力は309馬力。走り出しの力強さを示す最大トルクはガソリン車を10%ほど上回る700Nmで、クラストップレベルを達成してます。トランスミッションはついに10速。おかげで加速してく過程がウルトラスムーズで、気持ちええ! って感じ。最先端の電子制御技術の網も張り巡らしてある。進化の幅でいえば、ランクル史上最高やないかと。

池山:ただ、ハイブリッドの設定はない。「道なき道を突き進み、秘境でも生きて帰って来られるキング・オブ・オフローダー」という本質を踏まえたら、現時点ではエンジンという内燃機関が一番頼れるっていうことなんでしょうね。

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━━デザインといい、メカニズムといい、野生と知性が絶妙に調和された仕上がりなんですね。ところで燃費はどれくらい?

佐々木:ガソリンがリッター8kmほど、ディーゼルが9.7km。あのサイズ感とパワーのことを考えれば上々でしょう。200系よりも改善されてます。まあ、ランクルの主戦場の中東だとガソリンが破格に安いから、燃費が良くなってもあまり響かないかもしれませんけど(笑)。

半根:国によってクルマに求められることって違うからね。170の国と地域で愛され続けてるランクルってやっぱり偉大や、とつくづく思いますね。 

池山:ランクルと競合する欧米生まれの大型SUVって、リッチ層に向けてラグジュアリー路線をひた走ってますよね。スキーリゾートに行くにも、まずはアウトバーンを快適に駆け抜ける性能が求められるし、フォーマルなセダンから乗り換える人も増えとるから、このクラスのSUVがよりラグジュアリーな方向に進むのは当然の流れ。その点ランクルは、SUVという言葉がなかった時代から「働くオフローダー」として進化してきたわけだけど、300系はラグジュアリー路線という世界のトレンドに乗りながらも、体幹を鍛えて、贅肉を落として、オフローダーとしての悪路走破性をきっちり向上させてるあたりが、さすがやと思う。ファンとしてもうれしい。

フレーム構造がもたらす揺るぎなき信頼性

━━日本でもユーザーの大半がオンロードユースで、せっかくのオフロード向けの機能を使わない人も少なくないようです。

半根:オンロードユースの需要が高まってもランクルが悪路走破性を妥協しないのは、その性能を必要とする地域があるから。たとえば街から遠く離れた灼熱の砂漠や極寒の山岳で走れんくなれば、それだけで命にかかわる。いまだフレーム構造に固執する一因はそこにある。岩場や倒木などの障害物を乗り越えたとき、もし下回りを打ち付けたとしても、そこがフレームなら壊れることはまずないし、歪んだとしてもなんとか走り続けられる。これが一般的なモノコック構造やったらフロアが大きく変形し、もうあかん状態。  

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池山:デザートサファリっていう砂漠のドライブツアーなんてみんなランクルですもん。理由は「砂漠でも走りやすいし、壊れないから」 

佐々木:人道的支援や災害派遣などで人の命を支えるクルマとしても絶大な信頼を集めてますよね。赤十字とか、国連機関とか、彼らが乗ってるのはたいていランクル。万一のサバイバルに備えるんならランクルに尽きる、そういうことなんやと思います。河川の深さが膝上くらいなら、難なく走れるし。日本やとそういった場面に遭遇することはまずないけど、街中を走ってるだけで、なんか冒険心が刺激されますね。 

池山:そう、ランクルはロマンを感じさせる!

利便性の向上とラリー仕込みのノウハウ

━━装備面やユーティリティーはどうでしょう。

半根:7人乗りのサードシートが床下格納になったのがええ。200系は横へ跳ね上げるタイプでしたから、荷室幅が犠牲になってました。 

池山:バックドアの構造も変わった。200系は上下2段開きでしたけど、300系は上にガバっと開くタイプ。上下2段開きって、狭い場所でも開けることができ、下側がテーブル代わりになるからDIY好きなど一部に人には便利なんですよ。でも荷物が奥のほうにあると取りにくかったり、サードシートを格納する際に邪魔やったりするので、そのへんの不満が300系では解消されてます。 

佐々木:インテリアはずいぶんモダンな印象になって、質感もいい。上質さと先進性がいい感じにまとまってると思います。それと個人的に好感を持ったのがスイッチ配置。着座姿勢を崩さず自然に手が届くところにあって、直観的に使いやすい。車両感覚のつかみやすさといい、安全思想がまったくブレてない。 

池山:そういえばセキュリティ面で、スタートスイッチが指紋認証になりましたね。これはトヨタ初。

半根:グレードでみるとGRスポーツが目新しい。昔からランクルはダカールラリーで活躍しとるように、そもそもモータースポーツと親和性が高い。

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ZX
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GRスポーツ
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佐々木:ダカールラリーは世界一過酷といわれるモータースポーツですから、進化を重ねてきた本格オフローダーでしか勝てない。ランクルは市販車部門で何度もクラス優勝してきた。そこで磨かれたオフロード性能と、GRブランドならではオンロード性能を高い次元で融合したのがこのGRスポーツ。専用パーツが満載で結構な迫力。グリルのマークが昔ながらの「TOYOTA」になってるのが心にくい。 

池山:一般にスポーツ仕様ってタイヤのインチアップが定番ですけど、ランクルの場合は違ってて、ZXの20インチに対して、GRスポーツは18インチ。そのほうがサイドウォールが厚くなる分、岩場のつかみが良くなるし、ホイールの変形も防げる。タイヤの空転を防ぐデフロックがフロントとリアの両方につくのもGRスポーツだけ。ただのドレスアップバージョンやない。

半根:進化したポイントを挙げるとキリがないけど、最大の強みはやはり伝統のフレーム構造というところに尽きるんかなと。フレーム構造のSUVって、他のメーカーを含めても数えるほどしかない。ピックアップスタイルを除けば、数車種ほど。かつてフレーム構造やった競合車も、次々とモノコック構造に移行しとる。でもランクルはあえてそうしない。それはなぜかという理由や歴史にも注目すると、ランクルの魅力がより際立って見えてくる。頑丈で、モデルサイクルが長いのも特徴。20万km、30万km走ってるランクルもザラにあって、整備で入ってくるものは、どれもピンシャンしています。新旧問わずランクルに乗ってるというだけで、かっこええです。

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