FUNVE 開発秘話&詳細解説 03FUNVEのゲーム開発
FUNVEのゴーグル型コンピューターが生み出すゲームの仮想世界。その開発は初めての挑戦であり、苦労の連続だったという。
プログラミング未経験者がゲーム開発に着手
現実世界と仮想現実を融合させるために導入したゴーグル型コンピューター、HoloLens2。コントローラーを使わずに自分の手の動きで仮想世界にあるものを操作できる、いわゆるハンドトラッキング機能を搭載しており、製造、建築、医療、小売、教育などあらゆる分野でイノベーションを起こすと期待されている。
そんな先進のデバイスがあれば、teamFUNVEが思い描くゲームの開発もお茶の子さいさいだ、というわけにはいかない。ゲームのプログラミングは自分たちで取り組む必要があるからだ。teamFUNVEはクルマづくりのプロであっても、ゲーム開発については全員、素人。ゲーム開発を担ったメンバーは、プログラム経験すらないため、教材を買うところから始めたという。
当然、幾度も壁にぶつかった。そのたびに利用したのがシステム開発を一元管理できるウェブサービス。同様のプラットフォームを使う開発者から有益な情報を得ることができた。顔も知らない人たちに助けられながら、ゲーム開発は軌道に乗っていく。
現実と仮想のズレ、地道なトライアンドエラーで生み出された「時速12km」
大詰めに差しかかろうとした矢先、新たな問題が浮上する。カートが動くとゲーム画面がズレてしまうのである。そもそもHoloLens2は通常、静止した状態で使用するもの。動きながらの使用は前例がない。インターネットでも検索したが解決策は見つからない。移動速度とプログラムの微調整をひたすら繰り返すしかなかった。期限が無情に差し迫るなか、手探り状態に焦りばかりが募っていく。
地道なトライアンドエラーを通して、ようやく導き出されたのが時速12km。移動する速さを時速12kmにすることで、カートの動きとゲーム画面が見事にシンクロ。ズレを回避することができた。
かくして世界でも類のないARカートとして完成したFUNVE。現在、TOYOTOWNなどの大型施設で体験会を実施している。
びっくり FUNVE! のイベントについての
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